中小企業がITを活用するために

気軽に相談できる相手を見つける

先日、ある企業から相談を受けました。ご相談頂いた内容は別途ありましたが、ITに関する内容を相談できる人がいなくて困っているということを聞いて非常に共感できました。

確かにある程度の規模の企業であれば情報システム部門などがあり、一定の知識がある人を採用しているのでその方にまずは相談することが多いかと思います。しかし、中小企業になるとITに関する知識をもっているかたを採用し、相談できる状況になっていることは少ないのではないでしょうか?

コロナ渦で今までIT活用ができていない企業もITを活用せざるを得ない、ITを活用したいと考えた企業も多いと思います。しかし、「なにから始めればよいのか。」「どんなことをすべきか。」と独りで悩まれたかたも多いかと思います。IT、デジタル、DXなどという言葉はかなり広義な言葉で具体的になにをすればよいかわかりずらく、ホームページ、会計システムなどシステムの種類ごとに専門の会社が異なるためどのようなシステムを導入すればよいかわからない場合は特に誰に相談すればよいかわからないという状態になると思います。一方で私が時々違和感を持つこととして以前IT導入に失敗した経験からか自分の仕事がなくなることに恐れているのかわかりませんがITに拒否反応を持つ方もいらっしゃいます。私も数学嫌いなので気持ちはわかりますが、、、。(中学までは数学好きでした。)

ただ、30年以上生きてIT関係なく私が大事にしていることの1つですが、「困ったら、相談する」ということに価値があると思います。相談することでネガティブな要素からポジティブな要素に変わる可能性を多いに秘めているとと思います。そしてその相談する相手は相談者の悩みを解決に導ける一定の知識をもった人であることが望ましいと考えます。病気には医者、法律には弁護士、税金については税理士という一定の知識をもった人がいらっしゃることと同じようにIT、デジタル化の相談者としてITコーディネータというものが存在します。

ITコーディネータとは

IT、デジタルと呼ばれる知識の範囲は非常に広いものであります。よって、一概にITの知識があるといっても様々な知識があります。例えば、私がもっている知識としてプログラミングというものがあります。これはわかりやすく例えるとコンピューターと会話する方法です。このプログラミングという知識がないと新たなシステムを開発することはできません。ただ、プログラミングだけ知識があったとしても新たなシステムを開発することはできません。プログラムを動かす環境を準備するための知識が必要で、一般的にはインフラなどと呼ばれています。これらはそれぞれ非常に深く広い世界となっており1人の人間が全て完璧に理解することは明らかに不可能かと思います。更に言うのであればIT、デジタルの世界は物凄い成長スピードで成長している分野になりますので理解をすることは更に難しいものとなっています。

話が脱線してしまいましたが、IT、デジタルというものは範囲が非常に広いので資格に関しても非常に多くの資格が存在します。そういった状況の中、企業がITを活かす際にまず最初に相談すべき知識がある人がITコーディネータとなります。イメージとしてはITの知識がない企業の方がIT、デジタル化を考えた場合、最初の窓口、相談先としてITコーディネータの方に相談するのが望ましいと思います。逆に開発したいシステムが明確になっている場合(※)はプログラミングの知識がある人に相談することが望ましいです。

※ここでいう開発したいシステムが明確になっているというのはシステムを開発する為の要件定義が既に出来ているレベルを指しています。

ITコーディネータは、真に経営に役立つIT利活用に向け、経営者の立場に立った助言・支援を行い、IT経営を実現する人材です。時代の潮流はSaaS/クラウド-経営革新・業務改革ニーズに合致する戦略的なIT利活用の推進人材として新たな役割を担います。

引用元:ITコーディネータとは? – ITコーディネータ協会(ITCA)

いずれにせよ、現在困っていることがわからない、誰に相談すればよいかわからないといった状況の場合はITコーディネータの資格をもっているようなかたにまずは相談し、そのうえで更に必要であれば他の知識をもった相談者を紹介頂くのがよいと思います。

各支援機関の仕組みを積極的に活用

ただ、ITコーディネータという資格を持っている人がわからない、連絡先がわからないという方も多いかと思います。また、相談すると多くの費用が発生するなどと思われる方も多いと思います。ITコーディネータの資格を保持しているかたはITコーディネータ協会(ITCA)のITCプロフィール検索などで検索することができます。勿論、こちらから私を検索することもできます。

ただ、個人的にはこの検索機能を活用するよりも、中小機構や商工会議所などの各支援機関にまずはご相談することがよいと思っています。支援機関では各知識をもった人の紹介などを行っているのと同時に費用の補助なども併せて紹介して頂ける場合があります。

ITは道具であり、置物ではない?

本記事ではITを活用するために、まず大事なこととして気軽に相談できる相手を見つけることであり、最初の相談相手はITコーディネータが適切であり、各支援機関を通じて適切な方を紹介頂くことが望ましいということを書かせて頂きました。しかし、これだけではITを活用することはできません。ITはただの道具であり、その道具を活用することで効果を発揮します。活用するためにはちょっとしたこと(コツ)に気づくことが必要と私は考えます。

私がコンサルタントとして登録しているCIMC(一般社団法人中小企業IT経営センター)では「つなせん」というIT活用にとって大切な考え方や基本原則を学ぶことができるカードゲームを販売しています。こちらはカードをご購入頂き、プレイして頂くことで特にITの専門的な知識がなくても、気づきを得られるものとなっております。お仲間と一緒に是非楽しみながら、IT活用のコツを掴んで頂ければと思います。また、こちらを活用した簡単な研修なども行わさせて頂いております。つなせんに興味がある方はお気軽に岸野までご連絡ください。(現在、岸野が「つなせん」の販売業務を担当しています。)